交通事故にあった場合の診断書はなぜ重要? 整骨院で発行してもらえる?
2023.5.2 重要おすすめ記事万が一交通事故にあった場合、たとえ大きなけががなかったとしても見えない部分にダメージを負っている可能性があります。そのためすぐに医療機関を受診し、精密検査を受けることが肝要です。
そうしたケースでは必ず「診断書」を取得するよう勧められますが、それには大きな理由があります。本記事では交通事故にあった際になぜ診断書が重要になるか、どこで発行してもらえるか、そして取得の手順について解説します。
小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。
目次
交通事故にあった場合の診断書はなぜ重要か
交通事故にあって病院を受診した場合、必ず診断書を発行してもらうことが重要とされています。
なぜならこの診断書を警察に提出しない限り、けがをしたとしても物損事故の扱いにしかならないためです。仮に相手方に責任があり、慰謝料や損害賠償を請求する必要が生じるケースでも、診断書は相手方の保険会社に提示する重要な資料となります。
交通事故に関する診断書には、提出先別に3種類が存在します。
①警察への提出用
これにより当該の交通事故は人身事故としての扱いとなります。
②相手方の保険会社への提出用
ただし当該保険会社が病院から直接取得するケースもあり、その場合には本人が用意する必要はありません。
③後遺障害等級認定用
もし交通事故の影響で後遺症が残った場合、後遺障害等級認定のために診断書を提出する必要が生じます。
また、会社員等であれば休職などの手続用に証明書類として診断書の提出を求められるケースもあります。
交通事故にあった場合の診断書は整骨院で発行してもらえる?
交通事故でけがを負った場合、その診断書を発行してもらうのは整形外科等の医療機関ですが、整骨院でも対応してくれるのでしょうか。
結論からいうとこれは不可能で、整骨院は医療機関ではないため医師にしか発行が許されていない診断書を出すことはできません。したがって診断書は必ず病院で医師に対して発行を希望する必要があることを覚えておきましょう。
整骨院で発行できる診断書(施術証明書)とは?
では整骨院では治療に関して何らの証明も受けることができないのでしょうか。
これについては診断書の発行は不可能ですが「施術証明書」という書類を出してもらうことが可能です。施術証明書に記載できる内容は施術の事実、そして後療日数の予定が中心であり、疾病名を整骨院の判断で記すことはできません。
診断が医師の役割であることに由来し、仮に整形外科等で医師がすでに疾病名を診断していた場合には転記することができるとされています。交通事故等で刑事訴訟になった場合には診断書が必要であり、施術証明書では書証として認められません。
一方では学童がけがなどのため体育授業の見学等を行う場合に施術証明書に効力を認める学校は多く、その有効範囲は証明を求める側の方針によって左右されます。
交通事故にあった場合に診断書をもらう基本の流れ
もし交通事故にあってしまった場合、どのように診断書をもらい、その後の治療を受ければよいのでしょうか。整形外科と整骨院の両方を利用するケースを想定し、以下にその流れを見てみましょう。
①事故直後は整形外科などの医療機関を受診する
交通事故にあった直後は可能な限り迅速に整形外科等の医療機関を受診しましょう。仮に痛みや目立った外傷がない場合でも、見えない部分にダメージを負っている可能性があります。医療機関でレントゲンやCT画像の検査を受けることで、骨や身体内部の状況を詳細にチェックして適切な治療につなげられます。
②医師に診断書を発行してもらう
医療機関を受診したら診断書を発行してもらいましょう。
先に述べたとおり診断書は医師の手でしか発行できないため、警察署や保険会社などへの提出書類としても重要なものです。基本的には原本での提出を求められる場合がほとんどですので、必要な数を確認してその部数の発行を医師に依頼しましょう。
交通事故の被害者であれば、加害側の保険会社にその費用を請求することができます。
③医師に許可をもらい整骨院へ通う
整形外科等での治療と並行して、整骨院にも通うという選択をする人も少なくありません。
それというのもむち打ちなどの症状やけがの後遺症による身体不調などは整形外科での対応が難しい場合があり、整骨院での東洋医学的なアプローチが有効なケースもあるためです。
医療機関と整骨院を併用することは患者側の自由ではありますが、先に整形外科等を受診していたり診断書を発行してもらったりしていた場合は、医師に整骨院も利用したい旨を伝えておくのがよいでしょう。
これは両者のアプローチや位置付けが異なるため、患者がそれぞれの施術を受けていることを医師・柔道整復師共に認識することが望ましいためです。
医師の許可というよりは、希望を伝えて了承を得ておくというニュアンスを意味しています。
④医療機関と整骨院を継続して利用する
上記のように医療機関と整骨院の両方の利用を継続するケースもありますが、注意すべき点があります。
それは同日に両方を受診することはできないということです。
整形外科などの医療機関と整骨院ではアプローチや法的な位置付けが違うため、両者の得意な部分を上手にすみ分けて相互補完的に利用することが求められます。
まとめ
交通事故という不測の事態でけがを負った場合、肉体的にも事後処理の法的な部分においても早い段階での適切な対処が必要です。
これまで述べてきた事柄を参考に、万が一の備えとして意識しておきましょう。