四十肩にマッサージをしてもいい?マッサージのコツや注意点を解説
2025.4.23 重要おすすめ記事
肩に痛みがあり、動かしにくくなっているのなら、四十肩を発症しているかもしれません。四十肩になったとき、自分なりのやり方でマッサージを行うことは避けましょう。四十肩の痛みを緩和するためにマッサージをしても、間違った方法で行うと症状が悪化する可能性があります。
本記事では四十肩の概要や原因、マッサージのコツ、注意点などを解説します。四十肩にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。
目次
四十肩とは?

四十肩は関節痛の一種で、正式名称は「肩関節周囲炎」です。多くの場合、肩に痛みを感じたり、肩の可動域が狭くなったりする症状が現れます。痛みを感じて腕が上がらない場合や、背中に手が回せない場合は、四十肩を発症しているかもしれません。
四十肩といっても、どこで炎症が起きているのかは人によって異なります。以下の箇所に炎症が起こっていると、一般的に肩関節周囲炎と診断されます。
- 肩関節の腱板(けんばん)
- 腱板疎部(けんばんそぶ)
- 上腕二頭筋の一部
また肩の関節を包む関節包と呼ばれる膜に炎症が起きた場合も、典型的な四十肩の症状が現れることが多いです。この場合は「癒着性肩関節包炎」と診断されます。
四十肩の症状は、元々50代で発症するケースが多かったため、年齢にちなんで五十肩と呼ばれていました。近年は40代で発症する方が増えているので、四十肩と言われることが多いです。明確な定義はありませんが、一般的に40代で前述した症状が出た場合は四十肩、50代で出た場合は五十肩と呼ばれます。
四十肩を発症するのは、人口の2〜5%程度と言われています(※)。どちらかといえば女性が発症することが多いです。片方の肩で発症するケースが多く、両肩同時に発症するケースはほとんどありません。しかし、片方の肩に発症した後、反対側の肩に発症する方もいます。
※参考:医療法人 西さっぽろ病院.「四十肩」.https://nishi-sapporo.or.jp/medical/detail/detail02_02.html
四十肩の主な原因
実は四十肩を発症する原因は、明確になっていません。
代表的な原因と考えられているのは、肩の筋肉や腱への疲労の蓄積です。年齢を重ねると、蓄積した疲労から筋肉や腱が固くなり、柔軟性を失ってしまいます。その結果、血行が悪化してしまうので、肩周りの関節に炎症が起きてしまいやすいです。猫背など姿勢が悪い方は、肩周辺の筋肉や腱に本来掛かるべきではない負担が生じてしまうため、四十肩になりやすいとされています。
一概には言えませんが、若い頃に肩をけがしたことがある方、仕事などで重い荷物を運ぶ機会が多い方も、四十肩になりやすいです。適度な運動習慣がない方も、筋力が低下し、ホルモンの分泌が適切に行われないので、身体が老化しやすく、四十肩になりやすい傾向にあります。
また糖尿病患者は、血糖値が高い状態が続くことで関節周辺が固くなるため、血行が悪化しやすいです。その結果、肩周辺に炎症が起こるので、四十肩になりやすいと言われています。
四十肩でマッサージをしてもいい?

四十肩で強い痛みが出ている場合、自らの判断でマッサージをすることは避けましょう。痛みが強いということは、その箇所で炎症が起きている証拠です。マッサージをすると炎症が悪化してしまい、さらに痛みが強くなってしまうかもしれません。
まずは医師に相談の上、問題ないと判断された場合のみ、マッサージをするようにしましょう。四十肩の痛みは肩こりと間違えやすいので、自己判断で行わないことが大切です。
四十肩を緩和するマッサージのコツ
医師からマッサージの許可が出た場合は、四十肩の症状緩和のためにマッサージを取り入れてみましょう。
肩を直接マッサージするのではなく、周辺をマッサージすることがポイントです。それほど痛みがない場合でも、ご自身でマッサージする際は、肩を刺激しないようにしてください。
ここからは、具体的なマッサージのコツをご紹介します。
僧帽筋や腕橈骨筋、上腕二頭筋をマッサージする
前述した通り、セルフマッサージで直接肩に刺激を与えるのはおすすめできません。四十肩を改善するためには、僧帽筋(そうぼうきん)や腕橈骨筋(わんとうこつきん)、上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)をマッサージすることがポイントです。
僧帽筋は、首から肩、背中にかけて伸びている大きな筋肉です。以下の方法で、マッサージをしましょう。
- 痛みがない方の手で、前から反対の肩をつかむ
- 親指以外の4本指で、肩の上の筋肉を優しくほぐす
- 親指以外の4本指で、首の後ろも優しくほぐす
腕橈骨筋は、肘から手首にかけて伸びている筋肉です。肩からは離れていますが、肘を曲げた際に外側にできるシワから、親指に向かって優しくほぐすと、肩の痛みが落ち着く可能性があります。
上腕二頭筋は、二の腕の内側に付いている筋肉で、いわゆる「力こぶ」ができる箇所のことです。痛みがない方の手で二の腕をつかむようにして、優しく揉みほぐしましょう。
四十肩にはストレッチもおすすめ
四十肩の症状を軽減するには、ストレッチを取り入れるのもおすすめです。以下の方法で、ストレッチを行いましょう。
- 肘を曲げる
- 肘を張って、両肩をぐるぐる10回回す
- 両手をまっすぐ頭上に上げ、ゆっくりと下ろす
- 「T」の形になるように両手を水平に広げ、そこから無理なく上げられる位置まで腕を上げて30秒キープする
ただし、強い痛みがある場合は、ストレッチも行わないようにしてください。
四十肩が悪化しないためのマッサージの注意点
最後に、四十肩を悪化させないために知っておきたいマッサージの注意点をご紹介します。
強く揉んだり無理やり動かしたりするのはNG
マッサージをする際に強く揉んだり無理やり動かしたりすると、炎症が悪化する恐れがあります。マッサージする際は、優しく揉むように心掛けましょう。日々の生活やストレッチをする際に肩を動かす際は、無理なく動かせる範囲にとどめてください。
痛みを感じた場合は中断する
マッサージを始めて痛みを感じた場合は、必ずすぐに中断しましょう。そのまま続けると、悪化してしまう可能性が高いです。痛みが出た場合は医師に相談し、判断を仰いでください。
まとめ

四十肩の痛みがあるときにマッサージやストレッチをすると、症状がさらに悪化する恐れがあります。肩の痛みや動かしづらさにお悩みの方は、まず医師に相談するようにしてください。マッサージやストレッチが可能と判断された場合も、適度な力で優しく揉み、無理はしないようにしましょう。