膝に水がたまる状態とは?原因と対処法を解説

2024.6.12 足・足の裏の痛み , 重要おすすめ記事 , 関節痛

膝に強い痛みがあり、腫れが出ている場合、膝に水がたまっている可能性があります。「膝に水がたまる」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、具体的にはどういった状態で、どのような原因で起こってしまうのでしょうか。

本記事では膝に水がたまる状態がどのようなものなのか、膝に水がたまる原因、症状があるときの対処法をご紹介します。膝に水がたまった状態を放置しても自然に完治することはなく、悪化してしまう可能性が高いです。水がたまっているように感じる方や膝に強い痛みや腫れが出ている方は、本記事を参考にして適切な対処を行いましょう。

小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。

目次

  1. 膝に水がたまる状態とは?
  2. 膝に水がたまる3つの原因
  3. 「膝に水がたまっている」と感じたら医療機関を受診する
  4. まとめ

膝に水がたまる状態とは?

膝に水がたまる状態とは、膝関節の中にある滑膜と呼ばれる膜の中に、関節液と呼ばれる液体がたまり過ぎている状態のことです。

膝などの関節には関節包と呼ばれる袋があり、その内側にある滑膜の中には潤滑油の役割をして関節のスムーズな動きを助ける関節液が入っています。正常な場合、関節液の量は1〜3ml程度ですが、何らかの原因で炎症が起こると関節液の量が増えてしまいます。これが、膝に水がたまる状態です。多い方では30ml程度まで関節液が増えてしまうことがあります。

よくみられる自覚症状

膝が水にたまった状態でよくみられる自覚症状には以下のようなものがあります。

  • 膝に痛みを感じる
  • 膝全体が腫れぼったく感じる
  • 膝が重く感じて違和感がある
  • 膝が動かしづらく感じる
  • 膝がつっぱったような感じがある

これらはいずれも膝に水がたまった場合に感じる初期症状です。こういった症状があるにもかかわらず放置してしまうと、さらに悪化してしまう恐れがあります。

膝に水がたまる3つの原因

膝に水がたまる状態を引き起こす原因には、どのようなものがあるのでしょうか。代表的な3つの原因をご紹介します。

1.変形性膝関節症

膝に水がたまる主な原因の一つは、変形性膝関節症です。

変形性膝関節症とは何らかの原因ですり減った軟骨組織や半月板などが滑膜にダメージを与えることで、膝内部に炎症が起こる疾患のことです。膝関節症が起こる主な原因は加齢といわれていますが、肥満や運動不足による筋力低下によって起こることもあります。また過去に膝を激しく使うスポーツをしていた方も、変形性膝関節症が起こりやすいです。

変形性膝関節症になると、立ち上がるときやかがむとき、階段を昇り降りするときなどに痛みを感じることがあります。膝を動かすと骨が軋んだような音がすることもあるでしょう。症状があるにもかかわらず放置していると悪化してしまい、立っている状態や横になっている状態でも痛みを感じるようになって、日常生活に支障が出てしまいます。

変形性膝関節症の場合、黄色く透明な関節液がたまります。

2.関節リウマチ、痛風

関節リウマチや痛風も膝に水がたまる原因です。

関節リウマチは免疫異常によって引き起こされる疾患です。症状が悪化すると軟骨組織や骨が破壊されて関節が変形してしまい、機能障害が起こります。30〜50歳の女性に多くみられる疾患ですが、60歳以降や男性でも発症するケースはあります。

痛風は突然足の親指などに激痛が走る発作的な症状のことです。暴飲暴食や肥満、激しい運動などによる高尿酸血症によって引き起こされるとされています。

関節リウマチや痛風になると関節内の滑膜の炎症を引き起こすので、膝に水がたまって痛みや腫れが出てしまうでしょう。リウマチや痛風の場合、白や黄色っぽく濁った関節液がたまります。

3.半月板損傷、靭帯損傷

半月板損傷や靭帯損傷も膝に水がたまってしまう原因です。

膝に高負荷がかかる激しい運動をしたり無理な方向に捻ったりしてしまうことで膝の半月板や前十字靭帯、内側側副靱帯が損傷すると、膝に炎症が起きて膝に水がたまってしまいます。半月板損傷や靭帯損傷は、バスケットボールやバレーボールなどのプレー中に起こりやすい怪我です。ただし年齢を重ねると、日常生活の中で損傷することもあります。

半月板損傷や靭帯損傷によって膝に水がたまった場合、赤や褐色の関節液がたまります。

「膝に水がたまっている」と感じたら医療機関を受診する

膝に水がたまっているのに放置してしまうと、症状が悪化し膝の痛みが強くなったりスムーズに動かせなくなったりしてしまいます。炎症は自然に治ることはないので、前述した初期症状を感じる場合や「水がたまっているような感じがする」と思ったら、すぐに医療機関を受診しましょう。炎症が強く出ている場合は、微熱が出ることもあります。

「膝の水を抜くと癖になってしまう」と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、膝の水を抜いても癖になることはありません。ただし膝の水を抜いても炎症自体が治らなければまた水がたまってしまうため、適切な治療を受けて炎症を沈めることが大切です。

まとめ

本記事では膝に水がたまる状態がどのようなものなのかや、膝に水がたまる原因、症状があるときの対処法をご紹介しました。

膝に水がたまる原因はいくつかありますが、どの場合でも「おかしいな」と思ったらすぐに医療機関を受診することが大切です。そのまま放置していても完治することはないので、膝に痛みがある場合や腫れがある場合など、何らかの異変を感じたら医師に相談して、適切な治療を受けるようにしましょう。

監修者:小林英健院長
株式会社KMC小林整骨院グループ 総院長 株式会社KMC小林整骨院グループ(所在地:大阪府八尾市 代表:小林英健)は、「小林整骨院」を1985年11月に大阪府八尾市で開業(現:あすなろ整骨院北本町)。現在では全国に47店舗展開し、全グループ院の延べ来院患者数は1350万人を超えています。「スポーツ活法」というトップアスリートの心身ともにサポートするための新療法を実施。治療できる領域の幅を広げて様々な治療経験を積むことで、すべての患者様・アスリートを癒し、スポーツ界や地域社会に貢献することを目指します。KMC小林整骨院グループ オフィシャルサイト(https://www.seikotsuin-kobayashi.com