変形性股関節症の痛みを和らげる方法
2022.7.22 歪み矯正 , 足・足の裏の痛み , 重要おすすめ記事 , 関節痛目次
変形性股関節症とは?
変形性股関節症とは読んで字の如く股関節が加齢や筋力低下などの原因で変形してしまうことにより腰から足にかけて様々な症状、可動域制限がかる状態です。
股関節というのは骨盤と大腿骨(太ももの骨)を結ぶ球関節で、骨盤の外側にある寛骨臼(かんこつきゅう)というお皿のような深いくぼみがあります。大腿骨の頭の部分がそこにはまりこむことによって動く関節になります。
直立姿勢をとる人間では、左右の下肢が身体をささえる部位で、この関節が直立、歩行等に重要になります。そして股関節には骨と骨の衝撃を和らげるクッションの役割を果たす「軟骨」や関節を繋ぎ止めている「靭帯」などの軟部組織がたくさん存在します。
そのクッションの役割を担っている軟骨が度重なる”こすれ”により寛骨臼と大腿骨頭が変形したことによって起こる痛み、可動域制限、脚長差が生じていくものを「変形性股関節症」といいます。
変形性股関節症とは、日本人の約500万人以上が発症しているとされる股関節の病気なんです。変形性股関節症は発症したら進行していく症状で、受診せずに放置をしているとどんどん症状が悪化していくという特徴があります。
小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。
変形性股関節症の改善に効果的な筋トレ方法
変形性股関節症の症状を改善するためには、運動療法が欠かせません。運動は、痛みをやわらげたり、股関節を動かすために必要な筋力を維持する目的で行います。
痛みがあるから動かないでいると、股関節周りの筋力が低下し、症状がさらに悪化する悪循環に陥ります。股関節周りの筋肉を鍛える運動をして、股関節の安定性を高めることで、痛みがやわらぐことが改善します。
ただし、股関節への衝撃が強い運動は避ける必要があります。股関節への負担が少なく、脚の筋肉を鍛えるのに効果的な運動には、水中ウォーキングや固定式自転車をこぐことなどがあります。
これらの運動は、1日30分程度を目安に行うと良いです。また、手軽に自宅でできる運動を継続することも効果的です。
自宅でできるものは?
歩行しやすくする運動
太ももの前側にある大腿四頭筋を鍛えて、股関節を曲げやすくすることで、歩行しやすくする運動です。
床にあおむけになり、ひざを直角になるように曲げます。片側のひざを伸ばし、ゆっくり上げられるところまで上げ、7~8秒止めてからゆっくり元に戻します。反対側の脚も同じように行います。左右各10回程度を1セットとし、1日3セット行います。
脚を伸ばしやすくする運動
お尻と太ももを鍛えて脚を伸ばしやすくする運動です。床にあおむけになり、膝を立て、肩幅程度に広げます。腰をゆっくり上げられるところまで揚げ、7~8秒止めたら、ゆっくり元に戻します。
これを10回程度繰り返します。1日3セット行います。息を止めると血圧が上がりやすくなりますので、呼吸を止めず、自然な呼吸で行います。股関節に強い痛みがあるときは行わないでください。
股関節を安定させる運動
股関節の横にあるお尻の筋肉を鍛えて、股関節を安定させる運動です。運動用のゴムバンドを使います。
ひざにゴムバンドを軽めに巻き、ひざを立てた状態で床にあおむけになります。左右のひざを、それぞれ外側にゆっくり開けるところまで開きます。7~8秒とめたらゆっくり元に戻します。これを10回程度繰り返します。これを1日3セット行います。ゴムバンドが無い場合は、ベルトで代用しても大丈夫です。股関節に強い痛みがあるときは行わないでください。
変形性股関節症でやってはいけない姿勢
長時間立つことや、深くしゃがみこむことで股関節への負担が大きくなります。
家での生活では、できるだけ床に座り込むことを避け、椅子を使った生活をすることで股関節を深く曲げる機会が減り、負担も減ります。
- 低い姿勢での長時間の作業
- 床の雑巾がけ
- 草むしり
などは控えましょう。
また、歩く時も重い荷物を持つ、片側で荷物を持つことで負担がかかりますから、それらを避けることで股関節への負担が減ります。
- 痛みが強い時に長歩きはしない
- 休憩をしながら歩く
- 長時間、寒いところで立ち続けない
運動で言うと、ゴルフやランニングは股関節への負担が強い運動ですので、なるべく控えましょう。代わりにヨガ、サイクリング、水泳などは股関節への負担が少ないです。
リハビリや運動療法をして、翌日まで痛みが残ってしまうようなら、強度が強すぎるので弱めるかいったん中止してください。運動療法として散歩やジョギングは股関節に負担がかかります。サイクリングや水泳など、股関節へのストレスが少ない活動に置き換える必要があります。
変形性股関節症では、股関節を曲げて膝を内側に入れる動作は、やってはいけない姿勢になります。また日常生活でやりがちな「正座」や「あぐら」なども股関節に負担がかかり症状が悪化する恐れがあります。
変形性股関節症の人は地べたに座るのではなく、椅子に座った方が良いでしょう。同様に寝る姿勢も布団からベッドやマットレスに変えて起き上がる場合の負担を減らしましょう。生活が和風なら洋風に変える意識です。
低い椅子で立ち座りの繰り返しや、和式トイレなどでしゃがむ動作、ズボン、靴下などの着替えなども股関節に負担がかかってしまいます。そのため、基本的にしゃがむという動作や姿勢などはやってはいけない姿勢になります。
椅子は高いものを使う、和式トイレは洋式トイレにするなど、生活スタイルで変えることができるところは意識して変えていき、しゃがむ姿勢はやってはいけない姿勢だと、認識して生活するようにしましょう。
やってはいけない姿勢をとり続けると?
初めは症状の軽い変形性股関節症の症状であっても、やってはいけない姿勢をとり続けると股関節などの痛みがどんどん悪化し、日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
そのため、変形性股関節症における禁忌肢位というものを知ることは、とても大切なことになります。やってはいけない姿勢を意識することで痛みを出さない、症状を悪化させないことになるからです。
変形性股関節症の人がやってはいけない姿勢をとり続けると、どのようなことが起こるのか、もう少し詳しく、具体的な例をご紹介しましょう。
具体的には?
変形性股関節症の人がしゃがんだり、股関節を内側にねじったり、やってはいけない姿勢を日常的に繰り返すと、脚の骨と骨盤の間にある軟骨がすり減り、症状が悪化し、結果として痛みが増してしまいます。
皮膚や粘膜、内臓の自律神経が刺激されて発生する痛みのことです。
焼けるような感覚、強いしびれなど、人によって感じ方や痛みの程度は異なりますが、やってはいけない姿勢をとり続けることにより変形性股関節症の症状の進行が加速し、痛みもひどくなっていきます。
変形性股関節症の人が無理な運動や、やってはいけない姿勢をとり続けていると、症状が進行し、これまでなら、そつなくこなしてきた動作ができなくなる可能性があります。
またやってはいけない姿勢を続けることは、亜脱臼や痛みを引き起こす原因となり、簡単な外出はもちろん、日常的な家事や着替え、掃除、入浴などの動きで痛みが発生するようになり、最終的に何をするにしても人の介添えが必要となる恐れがあります。
変形性股関節症には、運動療法で筋肉を鍛えるなど改善に向けたリハビリもおこないます。しかし、やってはいけない姿勢を繰り返すと症状が悪化し、歩くことができなくなる可能性があります。そうなると努力して運動したことも無駄になりかねないので注意が必要です。
注意することは?
日常生活の中で、少しでも股関節に違和感を感じたり、痛みを感じた場合は、体勢を変更し、股関節に負担のかからない姿勢や行動を心がけるようにしてください。また、変形性股関節症のやってはいけない姿勢は、股関節を内側に「ひねる・しゃがみこむ」といった動作を避けてください。日常生活では無意識に悪い姿勢をとってしまいがちです。
とはいえ、諦めては意味がありません。
姿勢に対する知識と意識が大切です。
やってはいけない姿勢とは何か?を理解したうえで、それを意識して生活するしかありません。意識するというだけでも症状を悪化させることを防ぐ力があるといえます。
普段、あぐらや正座をしているなら、椅子やテーブルを用意し、地べたに座らないように生活様式そのものを変える。
例えば、布団に寝ているならベッドに変えるといったことを意識的に行ってみてください。
股関節に負担がかかりにくいように、小林整骨院では身体全体のバランスを整えて股関節が正しく使えるような治療もおこなっております
日常生活の中で、少しでも股関節に違和感を感じたり、疼痛を感じた場合は、体勢を変体全体のバランスを整えて股関節が正しく使えるような治療も行っています。