成長痛とは?成長痛は整骨院で見てもらうべき?
2023.10.3 スポーツ活法 , 歪み矯正 , 足・足の裏の痛み , 重要おすすめ記事 , 関節痛成長期の子供であれば誰でも発症する可能性がある足の痛みが成長痛です。成長痛は深刻な疾患ではなく、時間経過や保護者のケアによる自然治癒が望めます。しかし、その痛みがオスグッド病などのスポーツ障害や深刻な病気の可能性もあるため、保護者は子供の足の痛みをしっかりと見極めることが大切です。
本記事では成長痛への対処方法のほか、オスグッド病や他の病気との違いを解説します。
小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。
目次
成長痛は子供に特有の足の痛み
成長痛とは、主に幼児期から思春期にかけての成長期に生じる、子供の足に特有の痛みの総称です。成長期の子供であれば誰でも成長痛を発症する可能性があります。なお、オスグッド病などのスポーツ障害も成長痛として紹介される場合がありますが、厳密には意味合いが異なるため、混同に注意しましょう。
成長痛の症状
成長痛の主な症状は、膝やふくらはぎ、すね、太もも、関節など下肢に生じる一過性の痛みです。成長痛はその名のとおり幼児期から思春期にかけての子供に特有の症状であり、特に3歳~5歳の時期が好発年齢とされます。
また、成長痛は患部の炎症など、明確な原因によって引き起こされる疾患ではありません。そのため、成長痛は特定の場所が痛み続けるのではなく、その時々で痛む場所が変わります。また、慢性的に痛みがあるのではなく、不定期に症状が現れることも成長痛の特徴です。
一般的に、成長痛では以下のような症状が見られます。
- 夕方から夜間の寝ている間、もしくは朝方に下肢の痛みを感じる
- 慢性的ではなく不定期で症状が現れる
- 痛みを感じる部位に腫れはなく、圧迫しても痛みはない
- 骨や筋肉、関節の炎症症状はない
- レントゲン検査をしても異常が見られない
- 遊んでいるときや幼稚園・学校にいる間は痛みが生じにくい
- 患部をさすると痛みが緩和する
なお、成長痛により後遺症が残ることは考えにくいでしょう。しかし、足の痛みを伴う他の疾患では、症状を放置したことによる後遺症が残るケースもあります。足の痛みが一過性ではないなど、成長痛以外の要因が疑われる場合は、専門の医師に相談しましょう。
成長痛の原因
成長痛は広く知られる症状である一方、明確な原因ははっきりと分かっていません。現在、成長痛には2つの要因があると考えられています。
1つ目の要因は、足の疲労です。子供は、まだ足の骨や筋肉が十分に発達していないにもかかわらず、一日中走り回ったりクラブ活動で激しい運動をしたりします。このような日中の運動による足の疲労が、夜間に痛みや不快感として現れている可能性があります。
2つ目の要因は精神的なストレスです。大人であっても、ストレスによって腹痛など体の不調が現れることは珍しくありません。同様に、成長痛も子供の精神的なストレスが起因していると考えられています。
実際に、成長痛の好発年齢とされる3歳~5歳は、身の回りで覚えなければならないことが増え、ストレスが溜まりやすい時期です。また、通園や通学による環境の変化や集団生活・友人関係なども、子供にとっては大きなストレスとなるでしょう。
成長痛は整骨院に通院するべき?
成長痛は、基本的には後遺症の心配はなく、治療の緊急性も低い症状です。しかし、成長痛だと思っていた痛みが、実は早急な治療が必要な疾患である可能性もあります。痛みの原因が不明である以上、子供の足の痛みを安易に成長痛と決めつけるのも良くありません。
痛みが徐々に強くなる、数日間にわたって慢性的な痛みがあるなどの症状が見られる場合は、整骨院で専門の医師の診察を受けるようにしましょう。もしその痛みが成長痛であったとしても、整骨院であれば適切なマッサージ方法の指導を受けることができます。
成長痛を緩和する方法
成長痛は明確な原因がある疾患ではなく、特別な治療法もありません。成長痛の症状は一過性であり、足のマッサージや外用薬の塗布などの処置をしながらの経過観察が基本的な対応です。
子供に成長痛の症状が見られる場合は、保護者がその痛みを理解し、子供のストレスを軽減させることが重要とされます。以下を参考に、成長痛の子供に対して十分なケアを心掛けていきましょう。
【成長痛の対処法】
- 足をさする・マッサージする
- 湿布を貼る
- 患部を温める・患部を冷やす
- 十分な睡眠・休息をとる
- 親子のスキンシップを増やす
成長痛を予防するには?
子供の成長痛は一過性のものであり、深刻な病気ではありません。しかし、成長痛の予防はオスグッド病などのスポーツ障害の予防にもつながるため、日頃から意識しておくとよいでしょう。成長痛の予防方法を紹介します。
足のストレッチをする
成長痛の予防方法として広く知られているのはストレッチです。筋肉が緊張して硬くなっていると骨や関節の負荷も大きくなり、痛みが生じやすくなります。日頃から太ももやふくらはぎのストレッチを行い、足の筋肉の緊張をほぐしておきましょう。
適度に筋トレをする
成長痛の予防では、筋トレにより足の筋力を高めることも大切です。筋肉には骨を強くしたり、関節を支えたりする役割があります。足の筋トレにより、成長期の子供の未発達な骨や関節がサポートされ、成長痛の予防につながることが期待できます。
ただし、過度な筋トレは軟骨の損傷を招くリスクがあるため、無理のない範囲で筋肉に負荷をかけるようにしましょう。
成長痛とオスグッド病の違い
成長痛と混同されがちな疾患がオスグッド病です。オスグッド病も成長期の子供に特有の足の疾患であり、広義では成長痛にあたります。しかし、ストレスに起因すると考えられる成長痛と、スポーツ障害に該当するオスグッド病は明確には異なるため、痛みに適切な処置をすべく違いをしっかりと理解しておきましょう。
オスグッド病はスポーツ障害の一種
成長痛が原因不明の足の痛みであるのに対し、オスグッド病は原因が明確なスポーツ障害の一種に分類されます。
オスグッド病とは、膝の皿の下にある脛骨粗面の突出や部分的な裂離によって膝周辺に痛みと腫れが生じる疾患です。成長期の子供の未成熟な脛骨粗面が、太ももの筋肉(大腿四頭筋)に繰り返しけん引されることで発症します。主にスポーツをしている成長期の子供に発症しやすいことが特徴です。
オスグッド病は後遺症のリスクがある
成長痛と異なり、オスグッド病は適切な治療を受けずに放置すると後遺症が残るリスクがあります。オスグッド病の主な後遺症としては、運動時の膝の痛みや脛骨粗面の隆起、同部位の圧痛などです。
これらの後遺症は今後のスポーツ活動に影響するほか、日常生活にも支障が生じる可能性があります。オスグッド病と思われる痛みが生じた際は、適切に対処することが大切です。痛みが長引く場合は整骨院など専門の医療機関を受診しましょう。
オスグッド病の対処方法
オスグッド病を発症したときの基本的な対処法は以下のとおりです。
- 運動を控えて安静にする
- 専用のサポーターを装着する
オスグッド病の症状が現れたときは、無理な運動をせず安静にすることが大切です。部活動やスポーツクラブに所属している場合は、顧問の教師やコーチに症状を相談し、治療を優先させてもらいましょう。また、オスグッド病専用の膝サポーターを装着することで、脛骨粗面の負荷を軽減することができます。
成長痛・オスグッド病以外の足の疾患
成長期の子供の足の痛みは、成長痛やオスグッド病によるものだけではありません。ここでは成長痛と類似する痛みを生じる足の疾患を紹介します。
踵骨骨端症(シーバー病)
踵骨骨端症は、踵の腫れや圧痛、歩行時の痛みなどの症状が現れる疾患です。オスグッド病と同じく成長期の子供が発症しやすいスポーツ障害の一種であり、ジャンプの頻度が高い競技や、裸足に近い形で行う競技を行っている子供が踵骨骨端症を発症しやすいと考えられています。
単純性股関節炎
単純性股関節炎は、幼児に多く見られる股関節炎です。主に風邪や軽微な外傷を契機として股関節に炎症が起こり、股関節から膝にかけて痛みが生じます。単純性股関節炎は原因がはっきりしないこともありますが、珍しい疾患ではなく予後も良好な傾向にあります。
悪性骨腫瘍
悪性骨腫瘍は骨に悪性の腫瘍が生じる深刻な病気であり、子供が発症しやすい症例に骨肉腫があります。悪性骨肉腫への罹患が判明した場合は、高度な医療体制が整った専門の施設での外科手術や投薬治療が必要です。怪我をしていないのに長期にわたって痛みや腫れが続くような場合は、専門の医療機関で精密検査を行いましょう。
【まとめ】
成長痛は子供の痛みに寄り添って対処しよう
成長痛は、成長期の子供であれば誰でも発症する可能性があります。保護者は子供の痛みに寄り添い、可能な限りストレスを軽減できるようケアすることが大切です。ただし、子供が訴える足の痛みには、専門的な治療が必要な疾患もあります。成長痛と判断できない痛みは専門の医師に相談するようにしましょう。