仙腸関節炎とは?症状や原因、治療方法を解説

2024.7.17 歪み矯正 , 腰痛・ぎっくり腰 , 重要おすすめ記事

腰に痛みが生じると、普段の生活で必要な動作ができなくなってしまいます。腰痛の原因としてさまざまな疾患が考えられますが、骨盤にある仙腸関節に炎症が起こることで痛みが出るのが、仙腸関節炎です。仙腸関節炎は画像診断が難しい病気で、腰だけではなくお尻や太ももなど下肢にも痛みが出るのが特徴です。

そこで本記事では、仙腸関節炎の症状や原因、治療方法について解説します。腰に痛みがある方や、仙腸関節炎の疑いがある方はぜひ参考にしてください。

小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。

目次

  1. 仙腸関節炎とは
  2. 仙腸関節炎の症状
  3. 仙腸関節炎になる原因
  4. 仙腸関節炎はどのように診断される?
  5. 仙腸関節炎の治療方法
  6. まとめ

仙腸関節炎とは

仙腸関節とは、骨盤にある腸骨と尾てい骨の上の仙骨との間にある関節です。仙腸関節は体と脚をつなぐための重要な関節で、周囲にある強度の高い靭帯と連結して安定しているため可動範囲が狭く、わずか3~5mmしか動きません。そのわずかな動きで、上半身にかかる重さや下半身にかかる地面からの衝撃などを吸収する役割を持っています。

この仙腸関節に大きな負担がかかって起こる炎症が、仙腸関節炎です。発症する年代はさまざまで、老若男女を問わず腰痛の原因となる症状です。

仙腸関節炎の症状

仙腸関節炎は仙腸関節の片側または両側に炎症が起き、仙腸関節周辺に痛みが生じることから、腰やお尻に痛みやしびれ、だるさなどの症状が現れます。足の付け根部分や太ももなど、下肢に痛みが出る場合もあります。左右どちらかに症状が現れることが多く、痛みを感じる箇所を自分で指し示せる点も、仙腸関節炎の大きな特徴です。

痛みによって長時間座ったままや立ちっぱなしが辛くなることや、仰向けになること、痛みのある方を下にして眠れなくなること、動き始めに痛みを感じることも、仙腸関節炎の症状です。日常生活で何気なく行っている動作でも、痛みによって困難になることがあります。

仙腸関節炎になる原因

仙腸関節炎は、さまざまな原因で引き起こされる症状です。大きな原因には、仙腸関節への衝撃が挙げられます。そのため、重いものを持ち上げたり激しいスポーツをしたりしたときや、交通事故などの外傷で発症することがあります。また妊娠も仙腸関節炎の原因の一つです。お腹の中の赤ちゃんが成長する過程で仙腸関節がゆるんだり、体重が増加し仙腸関節に負担がかかったりするためです。

仙腸関節への負担も、炎症の原因となります。大きく腰をひねったり脚を前後に開いたりする左右非対称の動きは、両側にかかる負担に偏りが起こるため、仙腸関節炎が発症しやすくなる原因となるのです。負担が偏りやすい脊柱側弯症や脚の長さが非対称の方の他、どちらか片方の脚を組む癖がある方、普段から荷物を片方の手だけで持つ方も、負担の偏りによる仙腸関節炎のリスクが大きいといえます。まれに仙腸関節の細菌感染が原因で炎症を起こすこともあります。

仙腸関節炎はどのように診断される?

仙腸関節炎はレントゲンやCT、MRIでは骨盤に異常がみられないため、診断が困難です。そのため単なる腰痛や他の疾患と診断され、見逃されることが多い症状です。似たような症状が出る腰椎椎間板ヘルニアではないことを画像診断で確認し、異常がなかった場合は、どのような症状が出ているか、何をすると痛みが出るかを問診で確認した上で、仙腸関節を圧迫する触診が行われます。

先述の通り仙腸関節炎は、患者自身で痛みが出ている部位を指で示せるのが特徴です。そのため指をさしてもらうワンフィンガーテストでも診断を行います。圧迫することで強い痛みが出る場合は、仙腸関節炎の診断につながります。

仙腸関節炎の治療方法

仙腸関節炎の治療には、まず安静が基本です。加えて、筋弛緩薬や抗炎症薬、痛み止めの内服、骨盤ベルトまたはコルセット着用などの保存療法を行います。

これらの方法で改善が見られなかった場合は、仙腸関節に局所麻酔を注射する仙腸関節ブロックが行われることがあります。仙腸関節ブロックは、痛みが緩和されるとともに仙腸関節の適合の改善が期待される、仙腸関節炎の治療に有効な方法です。また電気を流す鍼治療やステロイド注射を行うこともあります。

運動療法としては、仙腸関節やその周囲の関節のストレッチやエクササイズがあり、自分で取り組める方法もあります。テニスボールなどを使ったお尻の筋肉をマッサージする方法や、仰向けになった状態で息を吐きながらお腹を引っ込めて腹横筋というお腹の筋肉を鍛えるドローイン、ドローインしたままお尻を持ち上げる大殿筋のエクササイズは、仙腸関節炎の痛み軽減効果が期待できるでしょう。

その他にも、骨盤矯正やインナーマッスル強化なども、仙腸関節炎の治療方法の一つです。近年では痛みが出ている部分に発生した、微細な新生血管に直接アプローチするカテーテル治療も、仙腸関節炎治療に用いられています。

まとめ

仙腸関節炎はレントゲンやCTなどの画像診断が難しく、単なる腰痛と診断されてしまうことがあります。日常生活で必要な動作で痛みが出ることがあるため、的確に診断をしてもらい、適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。

小林整骨院では、仙腸関節炎の治療で行われる骨盤矯正やストレッチなどを実施しています。ストレッチやエクササイズでも改善せず、仙腸関節炎の痛みでお悩みの方は、小林整骨院へ一度ご相談ください。

監修者:小林英健院長
株式会社KMC小林整骨院グループ 総院長 株式会社KMC小林整骨院グループ(所在地:大阪府八尾市 代表:小林英健)は、「小林整骨院」を1985年11月に大阪府八尾市で開業(現:あすなろ整骨院北本町)。現在では全国に47店舗展開し、全グループ院の延べ来院患者数は1350万人を超えています。「スポーツ活法」というトップアスリートの心身ともにサポートするための新療法を実施。治療できる領域の幅を広げて様々な治療経験を積むことで、すべての患者様・アスリートを癒し、スポーツ界や地域社会に貢献することを目指します。KMC小林整骨院グループ オフィシャルサイト(https://www.seikotsuin-kobayashi.com